第二創業と捉えてみる


皆様と共に情報の共有を通して、資金繰り表を活用した経営に活かしていきたいと思い連載を続けています。

GDP速報値と人口推移の統計結果を注視しながら、中小・零細企業の事業継続と再建に役に立つ情報を随時発信しています。ビジネス雑談の裏付けとしてGDP速報値と人口統計をベースに持っていると深みがますと思います。ぜひご一読ください。

今月はGDP速報値について情報を共有し、検証していこうと思います。


2021年1~3月期四半期別GDP速報 (2次速報値)

Ⅰ.国内総生産(支出側)及び各需要項目

1-1.1次速報値と2次速報値の比較(四半期値、実質、季節調整済前期比)

※3 : 総固定資本形成は民間住宅、民間企業設備、公的固定資本形成から成る。

※4 : 財貨・サービスの純輸出=財貨・サービスの輸出-財貨・サービスの輸入
純輸出の寄与度は輸出と輸入の寄与度の差によって求めている。

20211~3月期四半期別GDP速報 (2次速報値)令和36月8日内閣府経済社会総合研究所より抜粋


6月8日発表のGDP2次速報値では、前期比△1.0%、年率換算で△3.9%と成長率がマイナスになっています。
成長率がマイナスということは、日本の経済規模が縮小したということを示しています。この縮小を拡大成長に変えて行くには、大きな変化を受け入れて行かなければ成しえません。
会社におきかえると、いつものように普通に仕事をしていると、売上や利益だけでなく、生産量や、人件費も全てが年率で約4%減少したということです。
どうでしょう、全体が縮小というのは、単に売上が下がる、利益が下がることよりも根が深いと思いませんか。この根の深さを回復していくには会社全体で人、モノ、金、環境すべてを再構築していく認識で計画を立てないと、再建が成しえない事は想像が難しくないでしょう。
実際に計画を立て、実行しようとすれば、現状の見直しから、改めて人員の配置、商材の取引先選定、業務工程、各事業予算、固定費・資産に至るまで再構築計画を立て実行していくので、まるで第二創業のような感覚になります。
これを、これから日本全体で行うと考えると、凄く大変なことです。しかし、日本全体でも第二創業のような機会が巡って来たと思えば、チャンスと希望が持てます。

一方で、統計を見ながら疑問を持ち、検証することが以前より重要になってきています。コロナ禍の前期比や前年比を、コロナ前と変わらない捉え方をしては、誤った捉え方になりかねません。
長い歴史で見れば、右肩上がりの経済成長の中で前期比、前年比を捉えていたコロナ前の見方と、コロナ禍でリセットされた経済状況の中からの前期比、前年比では、数値の上下の意味が変わって来ます。
右肩上がりの中での緩やかな数値の上下は一過性の要因として修正が容易である場合がありますが、恐慌や○○ショック、大災害や疫病などの極端な経済の沈下時の前年・前期比数値の上下は異常事態時の数値の上下なので平常時と同じに考えては方針を誤ってしまいます。

〈例として、統計結果を自分の会社の経営に活かすとは〉
今回、1次速報値から2次速報値を見ると、5月に発表した結果より今月改めて集計してみると、思ったより悪くなかった。と読み取れる数値や、悪い中でも雇用者報酬が伸びているような数値が読み取れます。全体として悪くなかった。というのは検証が難しく、想像し難いですが、雇用者報酬は、全体の給与支払いに対して、受け取る人の数の割合で報酬が伸びてる。といことなので、職を失った元給与所得者や一定のパートやアルバイトが辞めて、支払われた対象者を集計対象としているから数値が伸びているのだろう。と読み解く方が実態にあっていると思います。
つまり、良い数値も、想像力を働かせて検証すると、実態に即したマイナス面が隠されている事に気づき肌感覚と一致するということです。
そうすれば、この統計資料を基に、うちも厳しい経営環境とはいえ、昇給はしなきゃいけないのかな。などと考えずに済むでしょう。


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