キャッシュの重要性を再認識しました


新型コロナウィルスによる世界的パンデミックは、世界的に経済活動を一時的に止めました。『一時的』というニュアンスで感じ取る一過性の少ない影響ではなく、パンデミック前の元に戻るという事が出来ない程の大きな影響があります。

日本国内の中小零細企業では、昨年夏くらいから景気全般が落ち込み、一昨年よりさらに厳しい企業活動の中にありました。国内需要が伸びず、売上が上げにくい中で、如何に利益を出し、事業の翌月繰越資金を確保して行くかに頭を悩ませながら、ブレイクスルーすべく機会を模索していく中にありました。

このコロナ禍は、そんな戦略を『悠長な事を言わせない、キャッシュ無き者は市場からされ』と言わんばかりのインパクトがありました。今更ながら、資金を確保しておく事の重要性、資金繰り管理の大事さが身に染みています。

GDPと人口統計に注視しながら日本における景気の骨子を図りながら、時に周辺環境の統計資料、制度などの情報共有で、皆さまとメルマガを通じて、景気という目に見えないものを認識しようと努めているので、今回の2020年1~3月期の速報値の意味すること、今後のGDP推移の予測、深まる財政悪化が私達にどう影響してくるのか、その中で自分の会社はどう生きていくのかを皆さんは、改めて考えている事でしょう。

GDPの総額は消費税10%への引き上げを目前にした19年7-9月期には約540兆円ありました。2020年1-3月期は約525兆円。約15兆円もの経済活動が縮小した事になります。今後はもっと縮小することでしょう。


2020年1~3月期四半期別GDP速報 (1次速報値)

令和2年5月18日
内閣府経済社会総合研究所
国民経済計算部

Ⅰ.国内総生産(支出側)及び各需要項目

1.ポイント

[1]GDP成長率(季節調整済前期比)

2020 年1 ~ 3月期の実質GD P( 国内総生産・2011暦年連鎖価格) の成長率は、▲0.9%(年率▲3.4%)となった。また、名目GDPの成長率は、▲0.8%(年率▲3.1%)となった。

[2]GDPの内外需別の寄与度

GDP成長率のうち、どの需要がGDPをどれだけ増加させたかを示す寄与度でみると、実質は国内需要(内需)が▲0.7%、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)が▲0.2%となった。また、名目は国内需要(内需)が▲0.6%、財貨・サービスの純輸出(輸出-輸入)が▲0.2%となった。

2020年1~3月期四半期別GDP速報 (1次速報値)令和2年5月18日より抜粋


語弊があるかもしれないですが、分かりやすく三面等価の原則を引用すれば、15兆円分の生産(供給)を縮小=15兆円分の支出(消費)を縮小=15兆円分の分配(各社・各自が使えるお金の配分)を縮小。つまり日本の経済全体では、働くのも、お金を使うのも節約してます。という事です。

でも、ここで私達が忘れてはいけないことは、GDP推移を捉えて、『景気』という大枠の捉え方と、自分の会社の業績を同列に考てはいけない。という事です。
日本全体が景気が悪くなっても、あなたの事業には直接関係ない。と思った方が良いという事です。

あなたの会社の業績の良し悪しが、日本全体の景気を左右する程の経済的影響がある会社なら別ですが、多くの中小零細企業では、自社の取り組み次第で、自社の属するマーケットの範囲では増収増益も可能なはずなのです。

どんなに小規模でも、売上を支える商材や役務に需要があるのであれば、または、需要の掘り起こしが出来るのであれば、資金繰り表を活用して、キャッシュ基準で経営の戦略を立てる事で事業継続の上でチャンスを待てます。再生計画を立案し実行するにも資金繰り表を活用してキャッシュ残高を確認する事が重要で、再生への道の選択肢を増減させます。事業を続けるか、廃業するかもキャッシュ基準で検討すれば明確になります。

今、中小零細企業には、今あるキャッシュと、コロナ対策支援を出来るだけ使って、売上が立てられるまで耐え抜けるかが問われています。
財政、医療、観光、レジャー、教育その他社会的ネガティブな問題ネタは尽きることがなく増大していっていますが、今はそんなことより、各自が生き抜くことに集中しましょう。

それが必要な時期だということです。アフターコロナより、今を生きなければ明日もないのですから。
諦めずに、知識と知恵を使って、すべてトライしてみることが今重要です。しかも、一度ダメでも1週間後に再度トライするくらいの胆力が必要です。
確実な方法など今はありません。既存のルールと経験では絶対に通らない融資や助成金、延滞依頼でも、今はコロナ対策支援として受けられている会社が続出して来ています。

政府、自治体発表の対策に制度を理解して供給する現場が追い付かず、各自の手元にその支援が得られていない事も多々あるでしょう。
諦めても解決しないのは変わらないのなら、何か手がないのか必死で考え、信頼のおける人に相談しましょう。
生きていくのです!


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