中小・零細企業にとって重大な局面です


資金繰り表を活用して頂いている方に少しでもお役に立てればと思いメルマガを配信しております。

日々の業務の忙しさにあって統計資料を集めて景気分析をする時間は取りづらいと思います。そこで毎月GDP速報値と人口統計を基に今の日本の現状を確認しながら、ビジネス雑談の一助として、また、日本全体の傾向から自社の経営戦略に落とし込んでいって頂ければ幸いです。

今月は、GDP速報値と人口統計から少し離れて、周辺の統計資料として、日銀短観から景気の動向と勤労統計から従業員の給与面を確認していきましょう。


▽業況判断の推移

(注)
1.シャドーは、景気後退期(内閣府調べ)。
2.2004年3月調査より調査対象企業等の見直しを行なったことから、2003年12月調査以前と2004年3月調査以降の計数は連続しない(2003年12月調査については、新ベースによる再集計結果を併記)。以下同じ。

日銀(短観)-20199182回 全国企業短期経済観測調査(日銀101日)より抜粋


グラフでも分かるように、製造業も非製造業もリーマンショック以後景気は上向いていると感じている企業が規模の大小と問わず多かったようです。とはいえ、実感としては何とか事業を落ち着いてやっていける程度だった中小・零細企業は多いのではないでしょうか。

2019年に入ってからは景気が悪くなっていると感じている企業がほとんどです。実感としては何とか事業を落ち着いてやれていたのに、このままでは事業の継続も難しくなるかもしれないといった感触ではないでしょうか。

この統計資料を出しているにもかかわらず、政府はアベノミクスの成功を上げ、デフレ脱却を公言しています。そして消費税増税に踏み切りました。軽減税率導入も現場の混乱にしかならず、軽減税率対策補助金、プレミアム商品券、ポイント還元などを消費税増税対応として打ち出すも、内需を維持、拡大する要因にはなりそうもありません。

私たち中小・零細企業は、今こそ自立した経営が求められています。資金繰り表を活用して生きるための戦略を立てて行きましょう。


毎月勤労統計調査 令和元年8月分結果速報

当調査においては、本来「500人以上規模の事業所」については全数調査すべきところ、一部抽出調査を行い、かつ抽出調査を行う場合に行う必要がある統計的処理を平成16年から平成29年までの間行っておりませんでした。国民の皆さま、統計に関わる皆さまにご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。詳しくは、平成31年1月11日の公表資料に掲載しています。(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03207.html)
令和元年6月分速報から、「500人以上規模の事業所」について全数調査による値(※)に変更しましたのでご注意ください。詳細については15ページをご参照ください。なお、平成30年11月分確報から、掲載する数値を東京都の「500人以上規模の事業所」についても復元して再集計した値(再集計値)に変更しています。
※全数調査による値の前年同月比(差)は、令和元年6月分から令和2年5月分までは、前年同月の値として、抽出調査による値を用いますので、ご注意ください。

(前年同月と比較して)
○ 現金給与総額は276,296円(0.2%減)となった。うち一般労働者が357,112円(0.2%増)、パートタイム労働者が99,111円(0.1%減)となり、パートタイム労働者比率が31.39%(0.49ポイント上昇)となった。
なお、一般労働者の所定内給与は313,675円(0.8%増)、パートタイム労働者の時間当たり給与は1,177円(3.4%増)となった。
○ 共通事業所による現金給与総額は前年同月と同水準となった。
うち一般労働者が0.2%増、パートタイム労働者が0.8%減となった。
○ 就業形態計の所定外労働時間は10.0時間(1.0%減)となった。
※平成31年1月に30人以上規模の事業所の標本の部分入替えを行いました。1月は入替え前後の両方の事業所を調べており、新旧事業所の結果を比較したところ、現金給与総額では-2,532円(-0.9%)、きまって支給する給与では-1,576円(-0.6%)の断層が生じています。
※平成30年に基準とする母集団労働者数(ベンチマーク)の更新を行ったため、平成30年においてはベンチマークの違いによる断層が発生していました。平成31年はベンチマーク更新を行わないため、ベンチマークの違いによる断層はありません。

注1:令和元年6月分速報から、「500人以上規模の事業所」について全数調査による値に変更している。
注2:平成30年11月分確報から、平成24年以降において東京都の「500人以上規模の事業所」についても再集計した値(再集計値)に変更しており、従来の公表値とは接続しないことに注意。
注3:前年比(差)は、単位が%のものは前年同月比、ポイント又は日のものは前年同月差である。
注4:速報値は確報で改訂される場合がある。
注5:今回の調査対象事業所数は30,887事業所、回答事業所数は22,138事業所、回収率は71.7%であった。
注6:大阪府において判明した統計調査員による不適切な事務処理を行っていた調査票を除外して改めて集計したもの。なお、当該事案を踏まえて、現在、全国点検を行っているため、点検結果によっては、再度数値が修正される場合がある。事案の概要については、令和元年8月22日に公表された大阪府のホームページを参照。(http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=35660)

毎月勤労統計調査 令和元年8月分結果速報(厚生労働省R1.108日)より抜粋


毎年10月に行われる最低賃金の改定による人件費の上昇。そして働き方改革による労働時間の短縮誘導や有給消化の罰則制度。

中小・零細企業の経営者にとっては、人件費の上昇が一番重く感じるものです。

従業員にとっても、もっと働きたい、やるべき責任を果たしたい、残業代を増やしたい。と思っても会社から残業なしで業務を終わらせるようにせかされる。

管理職の人は残業時間を越えてのサービス残業を増やさなければならなくなる。などの制度の弊害があるようです。

統計資料にある月間現金給与額を自分の会社に当てはめたとき、今の雇用人数を確保していけるだろうか。労務時間を統計数値内の時間にする事ができるだろうか。

『最低賃金を上げて従業員の給与をあげて皆が豊かになるようにしよう!』『地域格差を無くして全国一律最低自給1,000円以上にしよう!』素晴らしいスローガンだし、そうなって欲しいと私も思います。

しかし、そうなるには、給与支払い事業者である各企業が支払えるだけの利益がなければならないのです。内需が縮小し、デフレが続く中にあって人件費を法制度で上げていくと、人件費を支払えない事業者は人を雇えません。人不足で事業継続を断念する企業もあるでしょう。再就職に付けず失業率があがるかもしれません。

今一度、自社の業務と資金繰りを確認してみましょう。そして、生き抜く方法を見いだしましょう。

答えは、制度に左右されない『自立』にしかないのかもしれません。


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