日本のバランスシートと、月例経済報告を見ておこう


2018年1月新春第一号のレポートです。今年も皆様のビジネス会話の中に統計資料に基づいた景気の話が出来るように数ある統計資料の中から抜粋してお送りします。私的な見解を添えていきますので、ご自身なりに「自分は見方が違うな~」とか「なるほど、そういう見方もあるんだな~」など自由な見識を踏まえてお役立て頂ければ幸いです。

今年は資金繰り表を活用した経営管理の必要性を広く普及させていく取り組みを進めて行きます。一方で今までと変わらず、いや、今まで以上にコンサルタントとしては、再生場面に直面している企業様にコンサルタント実績を基に、クライアント会社の経営にぐっと入り込んでサポートしていきます。よろしくお願いいたします。

 では、今回見ておきたい資料を2部情報として発信させて頂きます。月例経済報告と、日本国の平成28年歴年末の期末貸借対照表です。

まず始めは、月例経済報告です。毎月出されるものですが、通年を通して毎月の報告において大幅に内容が変わる事が少ないように感じているので、私は、四半期か半期ごとにその内容の変化に注意しています。

メルマガを発信して以来ずっと国の統計資料と実感の乖離について個別資料ごとに述べさせて頂いておりますが、今回の平成30年1月の月例報告でも肌感覚としては、本当に景気は回復しているのかなあと疑問に思ってしまいます。

下記資料を開いて詳しく見ておくのも良いと思いますが、その時間も惜しいという人のために、要点だけ抜粋してお伝えしましょう。

今回の月例報告では《景気は緩やかに回復している。》です。ちなみに今までは回復基調が見られるとか、回復基調が続いている止まりの表現で、今回のように回復しているとした表現まではありませんでした。

また、総括として、《先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。》とあります。

総括を踏まえて各論をみて私が思うところは、概ね上昇傾向にあるとする所と、実態との乖離を感じずにはいられません。

日本の今年の政策に、企業収益は好調で、生産は拡大に向けて設備投資は増加している。故に雇用情勢は改善しているし、個人において所得は増加しており、消費は拡大傾向にある。倒産件数も横ばい。だから消費税を増税しても、社会保険料率を上げても大丈夫という考えが基本にあったら、ちょっと怖くないですか?もし、同じように怖く感じるのであれば景気が上がっている実感がないからでしょう。

各論からマイナス要因を読み取れば、住宅建設が弱含みであることと、企業の業況判断では先行きは不況と感じている。ことくらい。このマイナス要因の示唆するところと、横ばいの数値を示している他の項目こそ実態が伴っていない本質だと思います。

各論を個別に検証してみたい方は下記URLから一読下さい。


内閣府 月例経済報告
http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/getsurei-index.html

次にあまり見る事がないとは思いますが国のBSが公表されています。

国経済全体の平成28暦年末の概要からポイントを抽出してみます。総資産は1京496.7兆円です。負債は7,146兆円。総資産から負債を引いた資本(正味資産・国富という)は3,350.7兆円となります。会社のBSとは表記も内容も違いますから一概に同一視は出来ませんが、負債を上回る金融資産があり、純資産として3,350.7兆円あるのであれば、まずまずこの国は裕福なんじゃないかと思いませんか?どうでしょう。歳費が増え、国債の発行額が上昇。国の借金が多くなり、国民一人当たり○○〇万円の借金を負う計算になる。というニュースを耳にします。プライマリーバランスも日本は元金償還なしの利息払いでも歳出と歳入のバランスが取れないままだといいます。国のBSを見る限り、何とか有効資源を活用することで国民負担を抑える事は出来ないものでしょうか。


平成28年度国民経済計算年次推計(ストック編)ポイント(平成30年1月17日)参照

月例報告では景気回復が統計数値として出され、少子高齢化の中にあって税収不足を国民に訴えている事を目耳にします。国の借金が増え続け国民一人当たり○○○万円の借金と不安を煽ったりされます。まるで、国民に納税負担を上げる事が仕方のないことだと言わんばかりに聞こえます。BSを見ると、国民の納税負担を軽減する為に資産の活用方法があるのではないかと思ってしまいます。

私たちは、国の政策に直接的に個別に、自分の為に介入することは出来ません。だからといって悲観して諦めてしまっては、そこで終わってしまします。

だからこそ、外的要因に左右されず、自らが自分を活かすために、本当に経営に役立つ資料として、読み解くのが難解な会計資料ではなく、自らが理解し易い現預金管理を基にした資金繰り表を、お小遣い帳レベルで理解して、現場の行動に活かすことをお勧めします。

皆様、本年もよろしくお願いいたします。共に本当に強い経営体質作りを目指しましょう。


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