今出来るのは、資金繰り表を活用して事業継続させると同時に雇用を守ること


2017年はあなたにとってどんな年でしたでしょうか。
年が変わるタイミングは気持ちの切り替えをポジティブにする絶好の機会。
年が変わる。年度が変わる。
気持ちの切り替えがし易いのは、年が変わる方が圧倒的にし易いという経営者の統計結果をどこかの記事で見かけました。

私は日ごろから、資金繰り表を活用した経営管理を推奨しています。経営コンサルタントというと、どうしても財務諸表から分析していくのが常套手段になるのですが、それでは経営方針を現場に対して具体化にし難いのです。経営者はどうにも具体的な経営手段を出しにくい。決算書を基に年次経営計画(目標)を作成し、月次残高試算表でその進捗を確認していきます。それがオーソドックスな経営管理スタイルでしょう。それすら実行しない経営者も多いです。なぜ、実行しないかと言えば、わざわざやっても、その効果が実感出来ないからです。ビジネスにおいては、効果が出るからやる!というシンプルな動機が重要です。その点、資金繰り表は、入出金実績履歴と、それを基にした年間(月次)シミュレーションで作成します。要はお金がどう入って、どう出ていくか、そしていくらが会社にキャッシュとして積み増せていけるかの事業継続の根本に関わる資料です。入ってこなければいけないお金(売上)目標、削減しなければいけない経費項目、投資や返済に充てられる金額が現金ベースでシミュレーションされるのですから、否が応でも対処しなければいけません。BS・PLから各項目を抽出して算出される健全比率をどう維持するかの計画より直接的な対策を要求する資料となります。来年はぜひ、経営管理指標として資金繰り表を活用して自社にお役立て頂きたいです。

国の統計資料を毎月ピックアップして、ビジネス話の裏づけとして活用して頂こうと毎月レポートとして書いています。すると、私自身も、国の指標に流されていてはダメだなと痛感します。特にGDPと人口統計には継続的にシェアして行きたいと思っています。

2017年7~9月期(2次速報値)では、11.15公表より、数値が上回っています。年率換算1.4%から2.5%へ!驚きの数値です。その要因は民間企業の設備投資の増大が予測より多かった!ということに読み取れます。

 

内閣府経済社会総合研究所 国民経済計算部 2017(平成29)年7~9月期四半期別GDP速報より抜粋

一方で、資本金1千万円以上の法人を調査対象とした法人企業景気予測調査では、中小企業の自社の景気判断では今年も、来年もずっと下降。中堅企業から大企業は上昇をしめしているものの、二けた%にも達していません。ちなみに、この統計の別項目では、国内の景況は全体的に良くなる比率が上がっていますし、人手不足で設備投資に前向きといった指標が並びます。対象企業の回答は、「自社の景況は良くないけど、マクロ的視野に立てば日本の景気は良くなるんじゃないかと思う」と答えている事になりそうです。

 

内閣府・財務省 第55回法人企業景気予測調査(平成29年10~12月期調査)より抜粋

GDP速報と企業景気予測調査をクロスで見てみると、ほとんどの会社が自社の景況感を厳しいものとみているのに、設備投資をしている事になっている。いったいどういうこと?と疑問が出てきます。ある一定割合の少数の会社が多大な設備投資をして日本経済を引っ張っているのかな?という感想です。GDPが年率2.5%で実質上昇していれば、もう少し全体に景気上昇感が出てきてもよさそうなものです。

話は変わってちょっと気になる資料がありましたので、年末最後なので、多めになりますが、触れてみます。

まず、平成29年の国の財政はどうだったんでしょうか。そして、年々増幅する歳出ですが、平成30年は過去最高の歳出になるようです。

 

財務省 平成29年度一般会計歳出・歳入の構成より抜粋

もちろん一般歳出・歳入だけですから、一概に全てを示している訳ではないでしょう。その他特別会計のものはあるのでしょう。しかし、国民に徴収する指標となるのは一般歳出・歳入の資料で決定していくのでしょう。そして気になるのは、この表にあるように『将来世代の負担』を、もう一つの下記の表と組み合わせて考えたときです。人口割合です。

 

総務省統計局 地図でみる地域メッシュ統計 -平成27年国勢調査に関する地域メッシュ統計の結果から-より抜粋

図表にあるように、65歳以上の人口が全国的に増加し続ける中、少子化を考えると、将来の労働人口が減少、そして、その少ない労働人口で、積み上げられた将来世代の負担を軽減させていくことが本当に可能だと思っているのだろうか?というところです。子供を持つ世帯の親なら、子供の将来は明るいものであって欲しいと願うのは当然でしょう。今、何が出来るのか!真剣に考える必要がありそうです。

今、間違いなく出来るのは、経営者が自社を継続拡大させるために資金繰り表を活用して事業継続させると同時に雇用を守ることだと思います!

本年はお世話になりました。来年も、また、笑顔でお会いしましょう!


経営に活用できる「資金繰り表」無料ダウンロード実施中!