中小・零細企業は格差拡大傾向、既存大企業に利益・生産性では勝てる見込みがある。外的要因に囚われず、今こそ経営者が方針を見直す時です


8月14日に内閣府からGDP速報値が公表されました。

2017.4-6月期の実質GDP成長率は1.0%(年率4.0%)です。
何がGDPを押し上げているのか(寄与度といいます)というと、概要では、国内需要(内需)が1.3%の成長で押し上げているとあります。

確かに内訳をみると全体的に成長率は上がっています。
特筆すべきは、民間企業設備の成長率2.4%(年率9.9%)と公的固定資本形成の成長率5.1%(年率21.9%)でしょう。
公的固定資本形成は、所謂政府の「箱もの」といわれる社会インフラ公共投資です。
政策的に内需を引き上げて景気回復を図るものです。

教科書では、公共投資で内需を喚起して全体の景気が回復する。とあったと思うのですが、みんなが「景気良くなってきたね!」と言える日はまだ遠いのでしょうか。
このGDPの数値を基に景気が回復したとして、みんなが景気が回復した実感を持てないのに、消費税の増税に向かう材料にされるのだけは勘弁して欲しいものです。

内閣府 統計表(四半期別GDP速報)2017年(平成29年)より抜粋

 

もう一つ『2017年版 中小企業庁の中小企業・小規模事業者白書』2017.7.25更新を見ておきましょう。
中小・小規模事業者は約400万者あります。
その内年間1%前後の約4万者が廃業しています。
白書では、課題を人材不足と経営資源の再活用ととらえて、今後の課題の解決には、既存企業の生産性が落ちている経営資源を、事業承継や、M&Aを活用して次世代にイノベーションを伴う再編成により生産性を高めることや、起業の促進による経済の活性化を提示しています。

余談ですが、”社”ではなく”者”として捉えているところは、個人事業主に合わせてなのか法人を人として捉えてなのかは分かりませんが、ちょっと違和感がありますね。

中小企業庁 2017年版 中小企業・小規模事業者白書より抜粋

 

内閣府発表のGDP速報、中小企業庁の白書や統計資料を併せてみる事で、自分の立ち位置を確認する指針の一つとなります。

今月でいえば、私は「あ~、大企業や中堅企業では、国の政策も後押しして、仕事もあり、業績も良く、働いている人の給与も上がってるんだなぁ。
でもそれは、事業者全体の1%程度の企業で、全社員の1%程度のこと。
消費税はやはり上がるのだろうなぁ。
我々中小・小規模事業者は、格差が広がってるんだなぁ。
だから、ニュースや、周りの会社の動向など気にかけずに、自分がどうするのか、どうなりたいのかをしっかり見つめなおして、自分の事業に取り組んで行こう」と思う訳です。

あなたは、どう思いますか?


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