平成31年10月に備えよ!資金繰り管理がもっと重要になる


夏の暑さに加えてゲリラ豪雨や台風と気象情報に関心が向く中、ビジネスにおいては夏休み、お盆休みで仕事のペースも乱れがちなのが8月です。

稼働日が少なくなる8月の影響をミニマムに抑えるためにも、日々の資金繰り表の活用で、運転資金の月末繰り越し金額を増やしていく意識を持ちましょう。

毎月のレポートでは、GDPと人口統計を中心にマクロ的な視野で経済環境を捉えて、皆さんに自分の立ち位置を考える材料となれば、意義ある手稿となるのではないかと思い執筆しております。今月はGDP統計からの考察です。

そして、最近皆さんのお手元にも届いている来年10月から導入される消費税の軽減制度の案内について押さえておきたいところを抜粋して対応を考えて行きましょう。

8月10日に平成30年4-6月期四半期別GDP1次速報値が発表されています。GDP成長率は0.5%(年率1.9%)となりました。1-3月期は▲0.2%(年率▲0.6%)でした。実質がプラスに転じ、名目も0.4%(年率1.7%)と先行き見通しが明るい数値が出ています。

統計資料によれば、プラスに転じている要因は民間の最終消費支出が伸びている。つまり皆さんの財布のひもが緩くなってお金を使ってくれているおかげということになります。国民がお金を使うという事は、使っても良いと思える状況にあって景気が上向いているからだと読み取る訳です。

ちなみに民間の企業設備はここ1年ずっとプラスなんです。在庫変動と合わせて分析する数値でもありますが、過度な在庫から在庫調整も終わり生産拡張に向かうという傾向ですから設備投資が増えているというのも整合性があるでしょう。

海外へ販路を求めている産業機械部門は生産が追いつかないといった企業もあります。円安の継続も要因の一つでしょう。

しかし、これは逆に言えば国内を販路としている企業が伸び悩んでいることを意味しているのではないかと思います。身近に感じられるものは国内を販路にしている企業や店舗。その企業や店舗から景気の良い話を聞くことが出来ない。だから景気が良いと公表・報道されても実感がない。

つまり、海外に販路を持つ一部の企業より、身近にある中小・零細企業が儲かっていると感じられるようにならないと公表・報道と実感が一致しないのです。でも、公表では国内で民間消費が伸びている。国内で需要があり、お金を使っているということです。ならば国内の企業や店舗から景気の良い話が聞けても良さそうなものです。ちょっと納得いかないところです。

納得が出来ないと首を傾げ批判的な話をしても自分の景気が良くなる訳ではありません。だからこそ、マクロ的な情報は情報として認識しておきながら、私たち知識と知恵で自己管理を行い資金繰り管理をツールとして自己資金を自分で備えなければならないと思うのです。

内閣府 2018(平成30)年4~6月期四半期別GDP速報(1次速報値)H30.8.10 より抜粋


さて、話は変わって平成31年10月。来年の10月の消費税増税。皆さんのお手元にも消費税の軽減税率制度の案内が届いているのではないかと思います。消費税増税は反対しても、もう増税は止まらない気配です。

理想を言えば、景気が良くなり、国内企業や国民の収入が増え、税金の支出を増やしても、個別の負担が少なく、むしろ国として国民の福祉と外交、国防を強化するために、国内企業や国民から増税しましょう。と声が上がる状況であって欲しいものですが。

消費税の仕組みで徴収する以外に方法がないわけではないと思うのです。そもそも消費税は売上税として導入前に反対意見も多かったはずです。売上に税金を掛ければ企業負担は大きくなり、産業発展には足かせになるのは当時も言われていた事です。代替え案として資産税も上がっていたはず。資産税であれば富の分配という視点からも、今の貧富の格差是正のために役立ちそうです。今一度見直してもいいのではないかと個人的には思います。

今は、消費税増税があれば、中小・零細企業は、消費税増税分が価格転嫁できずに利益を削る事になります。事業を継続するために分納が増え、資金繰り管理がより重要になっていきます。いくら国が消費税の価格転嫁を促しても現実には、市場の価格まで国が規制できません。まさに自己管理が求められるようになります。

以下の消費税の軽減税率制度の抜粋から飲食・食品卸等食品関連の会社はその対応の難しさは計り知れないと感じます。顧客と提供する企業側でその認識の違いからまず揉めそうです。

そして、この制度に対応するための国のサポートは現場を見ていない人の発想としか思えません。レジやシステムの補助金が出たとしても、それでOKという事ではないのです。

現場を知っている人であれば、その移行期間に発生する不具合による損失、社員に周知教育するための期間に発生する損失など、営業補助金的な制度と合わせて案内すべきだと個人的には思いました。

資金繰り管理と情報を取りながら知恵を絞って来るべき平成31年10月に備えましょう。

どんなものが「外食」にあたるの?
一般的な事例


事例(1) 牛丼屋・ハンバーガー店での「店内飲食」と「テイクアウト」

牛丼屋やハンバーガー店での「店内飲食」は、事業者が、顧客に店内で飲食させるサービスを提供するものであるため、「外食」にあたり、標準税率(10%)の適用対象となります。

一方、牛丼屋やハンバーガー店での「テイクアウト」は、単に飲食料品を販売するものであるため、「外食」にはあたらず、軽減税率(8%)の適用対象となります。


事例(2) コンビニエンスストア等で販売する弁当等

コンビニエンスストア等で持ち帰りとして弁当等を販売する場合は、事業者が、顧客に店内の飲食設備において飲食させるサービスを提供するものではなく、単に飲食料品を販売するものであるため、「外食」にはあたらず、軽減税率(8%)の適用対象となります。

ただし、事業者が、顧客に店内に設置したイートインスペースにおいて飲食させるサービスを提供するものである場合には、「外食」にあたり、標準税率(10%)の適用対象となります。


事例(3) フードコートでの飲食

フードコートでの飲食料品の提供は、テーブルやいす等が設置されたスペースに隣接する飲食店が、顧客にその飲食スペースで飲食させるサービスを提供するものであるため、「外食」にあたり、標準税率(10%)の適用対象となります。

ただし、これらの飲食店で飲食料品を「テイクアウト」した場合は、単に飲食料品を販売するものであるため、「外食」にはあたらず、軽減税率(8%)の適用対象となります。


事例(4) パーティー会場等で食卓の設営や調理、配膳等の給仕を行って飲食料品を提供するサービス

事業者が、顧客の求めに応じてパーティー会場などに出張し、顧客にその場で飲食させるための食卓の設営や調理、配膳等の給仕を伴う飲食料品の提供であるため、「ケータリング・出張料理等」にあたり、標準税率(10%)の適用対象となります。


事例(5) そば屋やピザ屋などでの「店内飲食」と「出前・宅配」

そば屋やピザ屋などの「店内飲食」は、事業者が、顧客に店内で飲食させるサービスを提供するものであるため、「外食」にあたり、標準税率(10%)の適用対象となります。

そば屋の出前やピザ屋の宅配は、顧客の指定した場所まで単に飲食料品を届けるものであるため、「外食」にはあたらず、軽減税率(8%)の適用対象となります。


どんなサポートがあるの?
レジの導入・システム改修等支援


複数税率対応レジの導入等支援

対象者

複数税率への対応が必要となる中小の小売事業者等(複数税率対応レジを持たない者に限る)

補助率

原則 2/3
・導入費用が3万円未満の機器を1台のみ購入する場合3/4
・タブレット等の汎用端末は1/2(周辺機器とのセット購入のみ補助対象)

補助上限

レジ1台あたり20万円。新たに行なう商品マスタの設定や機器設置に経費を要する場合は、さらに1台あたり20万円が加算。複数台申請等については、1事業者あたり200万円を上限。


受発注システムの改修等支援

対象者

軽減税率制度の実施に伴い電子的に受発注を行うシステムの改修等を行う必要がある中小の小売事業者、卸売事業者等

補助率

2/3

補助上限

小売事業者等の発注システムの場合1,000万円。
卸売事業者等の受注システムの場合150万円。
発注システム・受注システム両方の場合1,000万円。

政府広告オンライン 特集 消費税の軽減税率制度 より抜粋

 


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